気分障害
うつ病

気分が落ち込み何も楽しめないという抑うつ症状とともに、不眠や食欲不振、倦怠感などの身体症状のために社会生活や日常生活に支障をきたします。
有病率は約100人に6人で、中年以後に多く発症します。女性は男性の1.6倍くらい多いことが知られています。
原因はまだ不明ですが、心身のストレスなどを背景として、脳内の感情や意欲を司る働きに支障をきたし、発症するものと考えられています。
死別や喪失など悲しい体験だけでなく、進学や就職、結婚、転居などのライフイベントが引き金となって発症することがあります。
女性では妊娠、出産、更年期などの女性に固有のライフステージに関連してうつ状態が出現することがあります。
うつ病の症状
● 1日中気分が落ち込み、何もする気がしない
● 何をしても楽しめない
● 眠れない、食欲がない、疲れやすい
● いつもイライラして、些細なことで焦ってしまう
● 自信がなくなり、自分はダメな人間だと感じてしまう
● 死んでしまいたいほど生きることがつらいと感じる
うつ病の治療
休養と環境調整
まずは休養すること、そのための職場や家庭の環境調整が重要です。
薬物療法
休養と共に薬物療法は欠かせません。抗うつ薬の効果が出るまで1~2週間程度時間がかかることを理解しておきましょう。
双極性感情障害とは
「躁状態」と「うつ状態」を交互に繰り返す病気です。誰にでも気分の波はありますが、双極性障害ではそれが極端で周囲がついていけず、放置すれば社会的信用を失うことにもなりかねません。
● 双極性障害はうつ病とは別の病気で、治療方法も異なります
● 有病率は1000人に4~7人で、うつ病よりも少ないです
● うつ状態と違って、躁状態の時は調子がいいと感じるため、治療の必要性を自覚できないことが多く、周囲からの助言と促しが重要になります
● うつ状態を繰り返す人の中には、軽い躁状態に気づかれず、実は双極性障害だったということがあります